技術紹介Cases
地上型レーザスキャナ(TLS)を用いた点群測量

課題/問題点
完成図がない構造物の復元図作成や施工計画検討に必要な現況地盤の形状は、これまでは高所作業車などを用いた近接による計測やトータルステーションによる現況測量を基に図面を作成しており、多くの人員・機材や現場期間が必要であった。
富士技研センターでの解決方法/対応・実施策
- 地上型レーザスキャナによる多点計測方式の点群計測を採用。
- 使用機種は、現場完結型3Dレーザスキャナ「Trimble X9」
スキャン距離が最大150m、スキャンスピードが毎秒100万点
3次元位置精度2.3 mm@10 m
担当者コメント
本技術のメリット(強み)
- レーザーが届く範囲内であれば、フルドームスキャンにより全方位の情報を点群データとして漏れなく取得できます。これにより、従来の計測手法で生じがちな「データの取りこぼし」が防げます。
- また、検討を進める中で「ここの情報も必要だった」というケースが生じた際でも、事前に取得した豊富な点群データから後追いで情報を取得できるため、再度の現場作業を不要とし、検討の柔軟性も向上します。
- 非接触かつ遠隔での計測が可能となるため、現場での作業時間を大幅に短縮できます。特に交通規制を要するような近接計測と比較し、現場の規模を最小限に抑えることができ、安全な現場とプロジェクトの効率化に大きく貢献いたします。
現状の課題
- 三次元計測の特性上、障害物裏側など、レーザーが届かない範囲は技術的に「欠測」となるため、複数の計測位置からのスキャンやドローンなど複合的な補完が必要です。
- 高精度な三次元データを取得するには必然的にデータサイズが膨大となり、処理速度データの保管や取り扱いのコストがお客様の負担となり得ます。
- 今後は、利用目的に合わせたデータ軽量化、データ共有環境の整備といった対応を今後積極的に進め、これらの課題解決に対応が必要です。

